週末、『佐渡島の金山』が県内では初めて、世界文化遺産に登録されることが決まりました。様々な困難を乗り越え、30年近く活動を続けてきた地元の歓喜と涙を取材しました。

運命の日の朝。佐渡市では、地元の小学生が参加して金山の伝統神事が行われ、関係者が世界遺産登録を祈願しました。
■佐渡を世界遺産にする会 渡辺剛忠副会長
「最初少し興奮して寝られませんでした。良い話を聞けると信じています。」

これまでの道のりは、長く険しいものでした。佐渡島の金山の世界遺産登録を目指す活動が、地元で始まってから28年が経過。国内推薦候補になるまでに4度の落選。苦労の末、国内推薦候補となったものの、2022年推薦書に不備があり登録を見送られる異例の事態となりました。

■池田藍子記者
「佐渡市のパブリックビューイング会場です。30分前ですが、既に多くの関係者が集まっています。こちらには一般の方もたくさん集まっています。徐々に世界遺産登録への期待感が高まっています。」

歴史的瞬間に立ち会おうと、佐渡市や新潟市でパブリックビューイング会場が用意されました。
■佐渡市のジオパークガイド
「多くの人が努力をして協力も得てここまで来ている。ここで一気にいってもらいたい。」
■群馬から
「だいぶ前から旅行は計画していたが、ちょうどいいタイミングで来られてうれしい。(Q.世界遺産になってほしいですか?)うん!」

インドのニューデリーで開かれた世界遺産委員会に、花角知事や佐渡市の渡辺市長が出席。佐渡島の金山の審議が始まり、約30分後・・・
■池田藍子記者
「佐渡島の金山世界遺産登録となりました!緊張感につつまれていた会場は、歓喜に包まれていましたが、一気に歓声が上がりました。」

■佐渡市民
「待ちに待った・・・本当に、佐渡が有名になります。よろしくお願いします、世界の皆さん。」
■まちづくり団体 相川車座 雨宮隆三社長
「行政の人も頑張ってきた結果だと思うので・・・すごく感動している。これからだと思うので頑張ります。あんまりインタビューにならない。」

世界遺産委員会は「採鉱などの機械化が進んだ時代に高度な手工業による採鉱と製錬技術を継続したアジアにおける他に類を見ない事例」と評価。全会一致で、佐渡島の金山の世界遺産登録を決めました。

現地にいる花角知事に、意外な人から電話が・・・
■花角英世知事
「ありがとうございます、岸田総理の本当に力強いリーダーシップのおかげです。しっかりと決断をしていただき、支えていただいたおかげで実現できたと思っています。」

この瞬間を特別な思いで迎えた人がいます。佐渡を世界遺産にする会の山本ひとみさんです。
■佐渡を世界遺産にする会 山本ひとみさん
「やったっていうそれだけですね。おじちゃんやったよ!って、世界遺産なったよ!ってそれだけです。」

山本さんの叔父・本間寅雄さんは、佐渡を世界遺産にする会の創設に関わるなど尽力しましたが、2006年に79歳で亡くなりました。
■佐渡を世界遺産にする会 山本ひとみさん
「叔父が一生懸命に世界遺産にしたいなと道半ばで亡くなったので、その思いを引き継ぐじゃないけどお手伝いできたかなと。」
■佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長
「これからが大事なんです。今までは地域の宝だったのを世界の宝として認知されたわけですから、これをまもっていくこと。」

新潟駅では、世界遺産登録の号外を受け取る人たちの姿がー
■新潟出身東京在住
「びっくりした、一度ダメみたいになったので改めて。」
■県内在住
「嬉しい同じ県内として、みんなで応援したいという気持ちは私たちも持ち続けていきたい。みんなで盛り上げていきたい。」

各地で横断幕などが掲げられ、お祝いムード一色に。史跡佐渡金山にも「世界文化遺産登録」の文字が掲げられました。
■新潟市から
「昨日来て世界遺産登録されてまたこよっかみたいな。(Q.昨日と今日では景色違う?)違いますね、世界遺産。」

当日の夜、相川地区で開かれた「鉱山祭(こうざんまつり)」。伝統の佐渡おけさが、祝いの舞となりました。

登録決定の翌日。
■池田藍子記者
「世界遺産登録となった佐渡島の金山です。一夜明けて多くの観光客が訪れています。」

金山の坑道などを見学できる施設は、早速にぎわいを見せていました。江戸時代の初期から手掘りでの開発が始まり、坑道の総延長は約400km。最も深いところは海面下530mに達しています。
「佐渡島の金山」は、西三川砂金山と相川鶴子金銀山で構成され、17世紀における世界最大の金の生産地です。
■村上市から
「当時の人力でここまでやったのはすごいなと思います。」
「世界遺産になったのは本当にすごいなと思った。おめでたいなと思って。」

世界遺産登録を限定商品で祝う企業も。
■北雪酒造 羽豆有希子さん
「世界遺産に決まるときには、うちのお酒で祝杯をあげたいという思いから、佐渡金山の坑道にお酒を寝かせて熟成させていました。」

佐渡市の北雪酒造が発売した日本酒。世界遺産登録の3カ月前から坑道で寝かせていたもので、2000本限定で販売されます。すでに全国各地から予約が入っているそうです。
■北雪酒造 羽豆有希子さん
「(登録が)決まった直後にSNSで発信したら多くの方から反響があった。飛ぶようにと言ったらあれですが、多くの方に購入いただいている。」

佐渡市の認証米を使った純米大吟醸。坑道内は光が当たらず、温度や湿度が一定のため貯蔵に適していて味に深みが出るといいます。
■北雪酒造 羽豆有希子さん
「佐渡金山の思いを馳せながら浪漫感じる一杯を楽しんでほしい。」

佐渡市は世界遺産に登録されることで、島内の年間宿泊者数が32万人から38万人に増えると試算しています。
■国際観光ホテル八幡館 本間東三夫会長
「佐渡に対する人気度は上がっていましたので、(登録後)急に増えたということはないが、やはりそういう感じを受ける。やはり世界遺産だなとすごいなと思っております。」

佐渡市のホテル八幡館は現在、書き入れ時の来月は予約でほぼ埋まっています。一方で、そのあとに課題を感じています。
■国際観光ホテル八幡館 本間東三夫会長
「冬をどう楽しんでいただくか、それを克服していきたいと思っています。」

島内を走るバスは人手不足などを理由に減便していて、佐渡市は国のオーバーツーリズム対策の予算を使い無料バスを運行していますが、観光客の増加に対応できるかが課題です。

インドから帰国した花角知事と佐渡市の渡辺竜五市長が取材に応じました。
■佐渡市 渡辺竜五市長
「この世界遺産には誇りに思って未来に残さなければならない責務が世界遺産登録には入ってくる。知恵を使いながら国県としっかり協議して継承する体制を作っていきたい。」

■花角英世知事
「(佐渡の)多様な魅力に気づいていただいて、リピーターになっていただける満足度の高い旅行ができる環境づくりを地元市町村とやっていきたい。」

2024年7月30日放送時点の情報です。

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